ラボメンの数だけ物語がある
○MYベストシーン
違うっ!それはあいつがまゆりのことを誰よりも一番、
大事に思っているから!傷つけたくないから。守りたいからよ!
まゆり、それだけは間違えないで。
でないと、あいつのやっていることが報われない…
○各話完結のファンディスク
全10話+1のオムニバス形式で進んでいく当作品。
本編、STEINS;GATEの攻略を終えた人向け。
まだまだシュタインズゲートの世界を楽しみたい
そんなファンのためのディスクだろう。
各話の長さは2.5時間ほど。
選択肢も一切ないのでサクサクと読み進めることができる。
しかし収録されている11話…基本的に…
蛇足・非科学的・尻切れが目立つ(‘A`)
○本編の助手は自ら気づいたと信じている
まず蛇足
本編に限りなく近いニア世界線による話。
「黄昏色のソーテール」「昏睡励起のクアンタム」「悠遠不変のポラリス」などが該当。
本編のあのシーンであのキャラはこう思っていたかも知れない
そんなバックグラウンド的なシナリオで感じてしまう。
岡部を救いたいという想いが間違いなく動機のひとつ。
自分の信条に背いてでも、
時には人は何かをなす必要がある局面がある。
研究者にはよくありがちで、
そして同時に自分には来て欲しくないと思っていた局面
でも、だからこそ…必ずあんたに道を示してみせる
特に助手、紅莉栖が主人公のシナリオ。
「黄昏色のソーテール」は本編屈指の1シーンからの裏話。
いい話でつまらなくはないんだが
嫌気がさすほど天才的頭脳の持ち主である紅莉栖が
岡部の突発的不信行為に疑問を持たないはずがない。
裏話など不要で本編通りに道を示していたと強く感じてしまう。
この世界線の紅莉栖は残念な紅莉栖だったというだけなのか…
○科学アドベンチャーとはなんだったのか…
次に非科学的
本編の売りである科学アドベンチャー
しかし当作品はなんの説明も無く非科学的アドベンチャーが展開されることも…
記事に上げた「幽霊障害のランデヴー」は特に。
「桃色幻都のシャ・ノワール」では完全にタイムパラドックスを引き起こしており
タイムパトロール仕事しろである
ファンディスクなのだから細かいことは気にしないほうが良い。
ぼくもそうだとは思う。
しかしせっかくの売りである科学の部分
それを投げ出すのはどうなのかと感じてしまうのだ。
○結末など窓から投げ捨てろ
最後に尻切れ
どの話も2.5時間ほどのボリュームだからだろう。
終盤があっさりしていたり投げ出しエンドなことが多い。
逆に単純な話だと綺麗に締めているのだがやっぱり稀。
序盤は良かったのに終盤に近づくにつれて雲行きが怪しくなっていく…
そんな話が多かったかなと思ってしまう。
○留未穂の株△
さて、一通り文句を言い終えたので当作品を遊んでよかったことをひとつ…
フェイリスって魅力的なキャラじゃねッ(゚∀゚)!
フェイリス・ニャンニャンこと秋葉 留未穂
本編では濃いキャラの一人だが立ち位置的にラボメンの中では
どうしてもサブのサブとなってしまう…
ましてや公式資料集ではその存在を忘れられていた疑惑まである。
(詳しくは隙間女で検索)
しかし当作品ではなかなか光っていたキャラだと感じる。
自分の行動に責任を持ち、失敗したらその穴埋めを自分でする。
あいつはそうやって、大人達の中で戦ってきたんだ。
秋葉原の大地主娘であるフェイリス。
周りには甘い蜜を授かろうとする強欲な大人達が集まる…
そんな大人達をひとりで相手にし、責務を果たしてきた。
目を見るだけで相手の心がなんとなーく読めてしまう
「チェシャ猫の微笑(チェシャー・ブレイク)」
そのルーツを少し知ることができフェイリスが好きになった。
寂しくて、胸の奥がジュクジュク痛むのはね
その人の記憶を自分の心の深くにしっかりと刻んでいる最中だから。
でもその傷はいつかかさぶたになってお花が咲くんだよ。
綯がフェイリスの義妹となる
「月暈のビヴロスト」の世界線では
良き姉として父を失った綯を励ます。
こんなのフェイリスが
好きになるに決まっているッ!
それがシュタインズゲートの選択か…
本編のフェイリスシナリオをもう一度プレイし直したい。
そう思うくらいにフェイリスの魅力に気付いてしまった。
もう隙間女とは呼ばせないッ!
○総評
Cランク
まぁあくまでファンディスクなので評価は低くなる。
シュタゲの世界観が好きならばやればいいし、
本編に繋がることもないので別にやらなくてもいい。
ただどの話も無難な感じで冒険した感はなく、驚きは少ないだろう。
鈴羽の失敗した世界線、完全なディストピア世界線、綯の復讐旅
裏話を展開するなら是非ここらへんをやって貰いたかった…
これらの内容だったら蛇足だなんて思わなかっただろう。
2.5時間では収まらないだろう大ボリュームになるだろうが…
なんともアッサリした全11話で物足りなさを感じる一作であった。
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