目の前の小さな利益に安住していられない
○MYベストシーン
ひとは、一年でできることを過大評価し、
10年でできることを過小評価する
○本当の資本主義とは
カイジを題材にした 「命より重い! 」お金の話、
「勝つべくして勝つ! 」働き方の話を書かれている小暮太一さん著書。
カイジ系は本屋で立ち読みしましたが、この方の文体は読みやすかったので、
本書を手に取ってみました(σ゚∀゚)σ
○努力や成果は基本給に関係がない
がんばったら給料が高くなるは思い込み
能力による成果給は、表面的なプラスアルファでしかない。
成果を出す優秀な人物だから「需要」によって特別賞与などが貰えるだけ。
基本給は生活が可能なのかという部分が大前提。
リビングコストが高い日本だから基本給はそこそこ高い。
新興国はリビングコストが低いから基本給も低い。
従業員を一日使える権利を買っている企業側にとっては、
従業員の生活を保障できる基本給さえ支払えればいい。
つい労働者は自分たちが生み出した利益分
貰えるというのが妥当に思えるが、実際はそうではない。
一日トラックのレンタル権を買って、
そのトラックでたくさん利益が出せた。
だからレンタル業者が「利益分の分け前を出せ!」とは主張できない。
企業は労働者の「一日労働権」を基本給で買っている。
その範囲分で利益を生み出せるよう、
労働者を酷使するのは当たり前なのか…
○資本論による使用価値、価値
使用価値=それを使って意味があるか(有益か、役に立つのか)価値=それを作るのにどれくらい手間がかかったか(テマヒマ)
マルクスの資本論で商品の値段の決まり方を説明。
商品の値段は価値(テマヒマ)によって決まり、
そこから「需要と供給の関係」によって値段が上がったり下がったりする。
すべては価値がベースとなる。
労働力も同じ。
人件費という価値の部分を上げなければ、給料は上がらない。
労働力の価値が給料の金額を決めている。
○使用価値>価値
テマヒマの苦労にはまったく意味がない。
商品を作っている本人が、努力し、苦労した部分でも、
その商品に買い手が使用価値を感じなければ、まったく意味がない。
「生産者のがんばり、苦労して作った」より
「自分にメリットがある」かが重要。
企業も同じで使用価値のない労働者に高いお金を支払わない。
しかし同時に労働力による相応の価値がないといけない。
まずその価値を高める。使用価値はその後について来る。
○満足感とこれまでの利息
残業、ノルマで疲弊してしまわない働き方。
本書の一番肝心な部分であるが、
自分の満足点と土台による利息の二言。
年収・昇進から得られる満足感。
そこに労力(肉体、時間、精神)の差し出す経費が
自己内利益にプラスならいい。
100万円で一年間、奴隷という契約では差し出す経費が大きすぎる。
だから自己内利益もマイナスとなり断る。
普段の働き方も同じ。自分の苦労感と給料が見合えばいい。
そのために経費を下げるため、
疲弊しないメンタルの強化や肉体強化も大切。
またこれまで積み上げてきた仕事内容で
土台(利息)で楽をする。
上を目指すことは大切だが、利益を出すことが何よりも大切。
○総評
aランク
マルクスの資本論と金持ち父さんのいい所取りという一冊。
序盤の資本論についての考え方は面白かったです。
ただ最終的にどう働いていくのか?の部分で目新しい情報はなかったです。
これまで得てきた情報と照らし合わせ共感しながら読めました。
今の考え方が間違っていないか確認することができたかな(^ω^)
文体が読みやすいので、他の著書も是非読んでみたいです。
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