VITAで唯一遊んだ恋愛ゼロキロメートル
○約束の期日へ秒針を戻せない
うしろゆびさんが言ってたようにずっとダラダラされると
きっとご迷惑なので三日以内に考えます!
よろしくお願いします!
彼女との食事後に送られてきたラインによる期限の三日間。
日々を淡々と社畜として過ごすボクにはアッという間だった…
火曜日に食事に行き…気づけば週末の金曜日ッ!
約束の日を迎えるなとは思いながらもボクからラインを送ることはない。
あくまで彼女が自ら課した期日。
その返答を催促するのは無粋である
そう強い信念を持ちながら週末を過ごす…
そして来たのだッ!
……
月曜日がやってきた
○そっとPSVITAの電源をつけた
結論から言うと…
ピッピさんからのラインは来なかったッ!
四日目となる土曜日までは希望を持っていた。
看護師のお仕事はシフトが不規則だからな。
なかなかラインができないのは仕方がないッ!
しかし五日目となる日曜日…
ぼくはそっとPSVITAで一つのゲームを起動させるッ!
ゲームの中では女の子達がボクを取り合っている…
しかも全員がボクのことを大好きでいてくるのだッ!
あげくボクのことを誰がお兄ちゃんと呼ぶかで争うかわいさッ!
おもむろに顔がニヤけてきてしまうッ!
彼女達はボクの気持ちを拒絶することはない…
しかしこのリアル人生ゲームはどうだッ!
完全に糸が途切れてしまった
残念ながらボクのリアル人生ゲームではピッピさんは攻略不可ヒロインだったようだ。
あれこれと細い糸を紡いできたがどうやら…ムダだったようだ…
そして疑問に思ったのだ。
ボクの人生ゲームに攻略可能ヒロインは本当にいるのだろうか?
すべてはバージョン違い…
あらゆる攻略ヒロインとボクは平行線上の世界にいて決して交わらないのでは…
どんなに頑張っても攻略ルートに到達することはないのだ…
それならばいっそう諦めてしまうのも最善の手。
画面の中には決してボクを裏切らない二次元の世界だってある。
ボクのことを大好きと言ってくれる世界がそこにはあるのだッ!
三次元でわざわざ消耗しなくてもいいじゃないか…
田村ゆかりの「大好きお兄ちゃん」で満足だろッ!ボクよッ!
若いくせに少しくらいの敗北でもう挫折か…!!
10年早いんだよォ!!
まだだ……まだッ!
三次元の彼女を諦めるわけにはいかないッ!
確かにピッピさんと糸が途切れたのは残念だ…
そしてボクが一度フラれたことに間違いはないのだッ!
今やるべきことはギャルゲーのぬるま湯に浸かることではないッ!
この敗北を糧として次へ活かすことだッ!
ボクはそっとPSVITAの電源を落とした。
そして新たな「恋愛させろ」を実行すべく行動することにしたッ!
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[…] 前回、ピッピさんからデートの連絡がなかったボク […]