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わたしを離さないで

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〇MYベストシーン

画像わたしを離さないで

こういうことは動きはじめてしまうと、もう止められません。
癌は治るものと知ってしまった人に、どうやって忘れろと言えます?
不治の病だった時代に戻ってくださいと言えます?
そう、逆戻りはありえないのです。

〇概要

著者:カズオ・イシグロ

前から読みたかった一冊。しかしなかなか手が伸びず…
しかし読書会の課題本に推薦されこれは好機と手を伸ばした。

〇教わっているようで実は教わっていません

形ばかり教わっていても、誰一人、
ほんとうに理解しているとは思えません。
みっともない人生にしないため、自分が何者で、
先に何が待っているかを知っておいてください

主人公、キャシー達の運命。
それは臓器提供を行うことと決まっている。

そんな運命が嫌なら逃げ出すこともできただろう
デスゲームお約束の破壊輪を首に付けられていないしなッ!

しかし提供者達はその運命をなんの疑いもなく受け入れる
なぜなら…幼い頃からとっくに知っていた運命だからだ。
そしてその運命に従うのが当たり前なのだと思考停止している。

提供者としての運命を確かに教わり、知っている…
しかしほんとうには知らない

ただ考える前に情報として刷りこまれただけなのだ

なんとなくボクは勤労と納税の義務を思い浮かべる。

大人になれば仕事をしてお金を稼ぎ、納税する
子供の頃からちゃんと教わり、知っていたことだ。

しかし仕事をせず、納税しない大人になったら、国から社会保障をうけることができない。
仕事もしないで、困ったときだけ、国に頼れるわけではないのだ…

労力を提供する運命をなんの疑いもなく受け入れている

自分でもよく考えたことのない情報の刷りこみ。
幼い頃からとっくに知らされていたことだ…

国民としての運命(義務)だからと思考停止しているなと感じてしまう。

〇胸に古い世界を抱きかかえる

新しい世界が足早にやってくる。
科学が発達して、効率もいい。
古い病気に新しい治療法が見つかる。すばらしい。
でも、無慈悲で、残酷な世界でもある。

最先端技術により新たな世界が待っている

加速する技術の前では僕の想像もつかないような新体験が待っているのだろう。
特にボクはIT革命のおかげで沢山の経験をしてきた世代だ。

これからも未知の体験が待っているのだとワクワクしてくる。
しかしそんな新たな世界を残酷な世界だとボクも感じている。



例えばボクの生きる目標の一つ。
親より長生きする

高度医療の発達のおかげで人の寿命はどんどん長くなるのだろう。
親が長生きすることは、とても素晴らしいッ!

しかしボクはそんなに長くこのクソゲーをプレイし続ける自信はない
親が長生きすればするほど、ボクが先にログアウトしてしまう可能性が高くなる。

またAIの技術革新には希望と共に恐怖を感じている。

ボクの代わりにAIが勝手に判断し、なんでもやってくれる。
ボクはAIにただ身を任せていれば良い…
なんて楽なことで心おどる体験だとワクワクする。

しかしそんな有能なAIがはびこる世界でポンコツなボクは何ができるのだろうと思う。
ボクはそんな世界にちゃんとついていける自信がない。
ますます人生クソゲーだと投げ出したくなる気がする。

本当に、無慈悲で、残酷な世界だと思う。

〇自分のことのように思い出したかった

命の終わりが近いことは分かっていました。
ですから、わたしに繰り返し語らせ、
心に染み込ませておこうとしたのでしょう。
そうすれば、薬と痛みで朦朧とした瞬間に、
わたしの記憶と自分の記憶の境がぼやけ、
一つに交じり合うかもしれないではありませんか。

自分のことを語るのではなく、キャシーの思い出を聞きたがる提供者達。
同じことを何度も聞き、自分が体験したことだったかのように心に染み込ませる…

この提供者達の気持ちに共感する。
自分の子供時代のことだったかのように思いたくなるのだ…



ボクにも理想的な幼馴染の子がいてだな…(ry

〇総評

Sランク

読んでいて引きこまれる一冊だった。
死への意識などボクの好きな要素盛りだくさんでどんどん読み進められた。

この一冊は何度も読み返し、考えることになるだろうな…
すぐ残酷な世界から逃げ出したくなるからなボクは



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この記事を書いた人

2011年から大好きなゲームから旅行に読書などを雑に記録。チラシの裏にでも書いておけな記事が多い。

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