日常の中には不思議が眠っている
○MYベストシーン
いつだって、どこでだって、謎はすぐ近くにあったのです。
何もスフィンクスの深遠な謎などではなくても、
どうしてカラスは鳴くのか、そんなささやかで日常にあふれていて、
誰かが答えてくれるのを待っていたのです…
加納先生のデビュー作品
女子大生の入江駒子シリーズの第一作品です(^ω^)
主人公の女の子の周りで起こる日常の謎を取り上げた短編集
そして当作品はファンレターが重要な役割を担っています。
主人公の周りで謎が発生
→主人公の好きな本「ななつのこ」とのストーリーと照らし合わせる
→その本の作者にファンレターと日常の謎を提供
→作者による日常の謎の解答(推理)が返ってくる。
という流れなのだ(`・ω・´)
そして加納先生の作品らしく最後はすべてのカケラが結びつくから面白い
ささやかで、ときに滑稽で、ときに切ない、そんな日常の謎が詰まった本書なのですが、
謎や作中の「ななつのこ」のストーリーも面白いのだが、
加納先生が描かれる女子学生の考え方に魅了されてしまう。
加納先生の作品すべてに言えることなんですけれども、
特に今作の駒子は男の僕でも共感してしまう考え方をする子です。
「一枚の写真」という話しでは、
十九から二十歳という子供でいられるギリギリのラインを超えてしまうことや、
子供を産むことはそのラインを自ら放棄してしまうことだなどと考える子。
現在の自分と他人とのギャップに悩むシーンはお気に入りです。
意識して考えたことなかったことを文章にして示されると、
僕もそういや不思議と二十歳を迎えたときに落ち込む気持ちになったなと( ,,゜θ゜)
僕も最後にここで予言をしておきたい。
僕はもう大学を卒業して二十代後半も向かえ、すぐに三十代へとなるんだろう。
ただまぁ三十歳になることも悪くないと思えるでしょう。
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