ささらで過ごした数年間
○MYベストシーン
子供はわたしが見ることができない、輝く未来を見るだろう。
わたしが行くことができない、広い世界を知るだろう。
親の役目は宇宙飛行士を
月まで送り届けるために喜んで切り離されるロケット。
わたしはそれを、どこまで見届けることができるだろうか…
ついにささらシリーズが完結。
ただシリーズものだが個別の一つの作品と感じてしまった。
前作などの知識は一切なくても読める。
知っていればモブキャラが誰なのかや、
主人公の母親の想いなどが知れる程度。
「程度」とか言ったが重要なポイントではある。
一作目の主人公、母親のサヤは直接物語に関与しないが知っているからこそ、
息子である主人公の振る舞いや生活スタイルに納得できる。
まぁ一作目から12年、
二作品目から8年じゃ仕方がない。
前作を読んでいない人はお断りにできる期間じゃないよね(σ゚∀゚)σ
それでも前作の主人公の近況があって嬉しくなりました。
ほんとにねー
噂話のワンフレーズ近況だけでも十分
あの照ちゃんがねー( ;∀;)
そりゃ今作は前作まで赤ん坊だった男の子が主人公。
その男の子も章が進むごとにどんどん大きくなり高校生の頃の近況報告だからね。
そりゃ高校生だった照ちゃんも赤ん坊を連れて来ますはなー(・◇・)
僕も前作読んだの中学二年から
あっという間に大学卒業前だからね( ,,゜θ゜)
僕に小説の面白さを教えてくれた「てるてるあした」
その本の主人公である照ちゃんの登場を待ちわびてしまった 笑
若い年齢の女性が出てきたら「照ちゃんかな?」って常に疑ってしまったよ!
風の噂程度でもささらでの出逢いを
大切にしているのが分かっただけで僕は十分です。
とまぁ前作との繋がりは置いといてだ…
今作は「人の死」が色濃く書かれていましたよね。
そして「残される者と残す者の想い」って感じか(`・ω・´)
残される側の「私は本来ここにいる人間じゃなかったのでは?」という疑問や、
残す側の「残された者と再び会えるのは遠い遠い未来の方がいい」という想い。
特に残された側の世界が私を拒んでいるって考え方は面白い。
他人は私を見過ごしてはくれない。
鳩が集団で一羽をなぶるように小さな傷を日々加えてくる。
私は捕食される側の人間なのだ…
ここまで極端には感じないけれども、
うまくいかないとき世界から拒絶されたという感じはあるのでは?
特に就職活動、恋愛、受験など結果が重視される場面などね。
イジメなど理不尽な扱いやネットでの誹謗中傷もか…
頭では気のせいだって分かってんだけどな!
ついネガティブキャンペーン状態になるのも人間(‘A`)
僕はまだ親に依存した子供だから残す側よりも残される側の方がピンとくるようだ…
本当に親に感謝です。加納先生の作品は母親に感謝したくなる。
まだ僕は読んでいないんだけど、七人の敵がいるは母親目線の作品っぽいし、
闘病記でも加納さんの母親としての想いが色濃くでてましたからね。
今作は諸事情の前にプロトを書き終えていたもよう。
闘病による経験は関係ないようですが闘病記の母親としての強さを今作からも感じました。
フィクションだろうと、
ノンフィクションだろうと母親は強いな(`・ω・´)
ガラスの麒麟のように最後は章ごとのカケラが、
ひとつの独立した物語に完成されるのは読んでいて快感でした。
各章ごとの人物達の狭い世界が最後には広い世界で見れるのは流石です。
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