人の死を美化してはいけない
○MYベストシーン
収容所の最悪の状況下でのアンネの死
「清く、美しい死」といえるものではけっしてない。
その最期は想像するのもおぞましい惨めな死
どんなに辛くとも戦争による死を美化してはならない。
15歳という若さで命を落としたアンネ・フランク
アンネの日記で有名なユダヤ人女性だ。
彼女はナチスドイツによるユダヤ人迫害の歴史には欠かせない。
中学校の歴史資料集などで日記の一部分と彼女の写真が載っていただろう。
そして共に載っている強制収容所の痩せた子供達の写真は、
学校の教科書の中でも痛ましい写真の一つだと思う。
本書はアンネやホロコースト(組織的に行った大量虐殺)
を研究するNPO法人の方が著者。
故にアンネ生誕時のドイツ内部から世界の歴史的背景までしっかり書いてある。
本文は文字が大きくすぐ読み終えそうなのだが、
脚注による解説も多く読み応えはかなりありました。
ただ歴史的な背景の輪郭はしっかり記されているけど、
具体的な部分がぼやけていてあっさり読み終えた感がある( ,,゜θ゜)
そりゃ歴史書だから「アンネの日記」と生き証人の話しか材料がない。
仕方ないとは思うけど読破後になんとも言えない虚無感に襲われた。
内容的に悲惨なものだから当たり前だけどさ…
たんたんと歴史を語られた感で物足りなさを感じてしまう。
ただオランダ(アムステルダム)の方々の抵抗運動は新たな発見でした。
第二次世界大戦後の1940年、ドイツによるオランダ国境への占領。
ドイツ国内による白バラの抵抗運動は映画で有名ですが、
オランダ国内でも武器を持たない
レジスタンス活動があったことは知りませんでした。
ナチスの言いなりとなるかいらい政治ではなく、
鉄道ストライキや学生運動など国民が一丸となって闘う。
その際にオランダ王室を表すオレンジ色で仲間を集うなど
オランダ国民の愛国心には感服いたしました(`∇´ゞ
アンネ達8人を社内の隠れ家にかくまったレジスタンスの方々については、
食料調達の配給切符偽装など気の長い作業。
正直、ここまで手を尽くす方々に驚いてしまった。
「密告されたらかくまった側も命の保障なし」
僕なら足ガクブルで無理だ!ゆとりのヘタレだから断言できる
アンネが収容所内で過ごした日々の記録なんてない。
ただ強制収容所の中がダンテの地獄が喜劇に感じれるのは事実なのだろう。
そんなアンネの短い一生の事実だけを160pに凝縮した一冊だと感じました。
コメント