Fairy Wreath
○MYベストシーン
ニワトコの木に寄り添うように、春空に咲いた百合の花弁は、アングレカムの花言葉を…
春の陽だまりのような笑顔を向け告げた。
○希望を失うことのない少女
春夏秋と季節を巡り迎えた最後の季節…「冬」
四部作の最終章である本作
少ないながらも謎を解くカギを得てきた白羽 蘇芳
すべては春の終わりに消えた彼女、匂坂 マユリを探すため…
私、貴女のことをずっと探していたのよ。
貴女を求めてニカイアの会長にまで成った…
内気で引っ込み思案な私が今、ニカイアの会長をしているの。
信じられないでしょう?
そして消えた彼女を会話するという所まできた。
しかしマユリの方は…
遠く離れていても、
君の幸せを祈っているよ
戻る意思はないという報せ
春の陽だまりのような彼女はまったく別人のように為っていた…
白羽蘇芳は初めて、心から神へ祈った
しかしマユリの想いは蘇芳が春の終わりに願った想いと同じ。
昔の蘇芳ならマユリからの拒絶を素直にを飲み込んでいただろう。
しかし季節を巡った蘇芳は希望を失うことはなかった。
蘇芳の成長劇は本当に美しいと言わざるを得なかった。
○支えることを選んだ少女
秋篇でニカイアの会長となった蘇芳。
そんな会長を支えるのがアミティエの立花立花
わたしは蘇芳さんのアミティエなのよ。
この学院の誰よりも貴女を観ているの。
蘇芳を何度も優しさによって救ってきた彼女。
この学院に来る前の自分に教えてあげたい。
誰とも心を通わせることが出来ないのではないかと怯えているあの頃の私へ
今年から3人組となったアミティエ制度…
それは一人が倒れたときに二人が支えられるようにという願いがあってのもの…
そして私の傍らに居続けてくれる大切なアミティエを生涯愛する。
そう私は主へ祈り、誓ったのだ…
アミティエとして選ばれた蘇芳、マユリ、立花の3人。
春篇では嫉妬の炎に包まれた立花だったが、今はアミティエとして蘇芳を支える。
本作で判明する悲劇的な過去の事件
痛ましい過去の事件は二人組のアミティエ制度が生んだ。
彼女たちがもし、三人一組でのアミティエであったなら…
立花さんのようなアミティエがいてくれたら悲劇は起こらなかっただろう…
私の心の中には二人が…友人であり、恋人であり、家族である大切なアミティエが住んでいるのだから。
三人一組のアミティエ制度へ変わった学園の意図に身震いした。
○友と季節を重ねた少女
蘇芳を支えてきたのは副会長の立花だけではない。
夏篇の主人公、八重垣えりか
人間嫌いで孤独を愛するが、他人をからかってばかりな彼女だが…
蘇芳を家族だと言うまでの関係へ
家族のためなら骨を折ることも厭わない友人…
友人だと気遣ってくれている。
当たり前のように口にできる「友」という言葉。
それはどんなに幸せなことだろうか。
物事をハッキリと伝え、道を正してくれる考崎 千鳥
秋篇ではヒロインルートへ至った沙沙貴姉妹。
好奇心旺盛なトラブルメーカーだが、蘇芳のことを気に掛け続けた苺
大丈夫ですよ、あっちには探偵が一人居ますからね。
今回はわたしが探偵役をしますですよ
物おじしない性格で蘇芳との関係を築いた林檎
季節を積み重ねたからの深い友情は本当に美しいと言わざるを得ないッ!
○変わらないことに安堵する少女
心の傷から逃げてはいない。
心の傷は肉体の傷と同じだ。
たった一言の綺麗な言葉で、一度の感動的な行動で治るなんてことない。
心の傷も肉体に負った傷と同じ時間だけ掛かる。
でも治るんだよ
多くの友人の力によって成長してきた蘇芳。
しかし春の終わりにマユリと克服したハズの母親の亡霊。
精神的に不安定だからか母親の亡霊が弱い自分の気持ちを代弁してくる。
弱い自分に安堵する蘇芳
こういう弱い部分もやっぱり蘇芳の魅力的な部分だ。
お母さん少し出てきすぎな気がするものの
○総評
聖アングレカム学院に入学し、今までクラスの皆の誕生日を祝ってきた私には分かる。
お祝いをするのはただの区切りではなく、今、貴女と、私が触れ合っていること。
この時を讃える祝福なのだと。
私は今の、このときの出逢いを大切にしたい。
聖アングレカム学院という場所で、今、このときを生きているという事を。
Sランク
最期まで失速することなく駆け抜けられたッ!
四部作…すべてプラチナ評価だッ!
ゲームで美しい芸術的な作品に出逢えるとは…
素晴らしい世界へ誘って貰ったと言わざるを得ない。
当シリーズはこれにて完結。
しかし開発元、Innocent Grey
今後の作品展開に要チェックしておきたい。
次はどんな世界へ誘ってくれるのか楽しみである。
コメント
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