〇MYベストシーン
人が生きていくうえで承認欲求はつきものなのですが、では、誰が承認してくれればいいのか。
イスラームでははっきりしています。承認するのは神なんです。
でも教徒でないならば、誰かについていくか、まかせてしまう。
そうすれば承認欲求は必要なくなります。
〇概要
著者:中田 考
イスラーム関係の著書で有名な著者。
「身の程を知る劇薬人生論」というサブタイトルに釣られて読んでみた。
〇人間に生きる権利などない
承認されないと自分には存在価値がないという思い込みが、現代では異様に大きくなってしまった。
その根底には「人間には生きる権利がある」という思い込みがあります。
生きるのに権利も何もないんです。権利なんて自由と同じで実体などありません。
その存在しないものを「ある」と思っているから、生きることが苦しくなる。
人間なんてたまたま生きているというスタンス。
人間には生きる価値があるといっても結局は死ぬもの
生きていることに意味なんかないという再確認をすることは重要かなと感じた。
そうすることで真の意味で生きることの理解へ繋がるのかも知れない…
〇生きているとはすでに承認されていること
承認欲求は不安の裏返しです。
承認されれば承認欲求がなくなるわけではありません。
不安はそのままなので、承認されればされるほど、さらなる承認を求めるようになります。イスラームでは存在するものはすべて承認されているという大前提があります。
今存在しているものは今は承認されている。神に承認されている。
宗教臭は強いが神がやっとけということを最低限やっておく。
考えても仕方ないので義務としてやっておけば最低限の安心感を得られるというのは納得。
人間には何かをしてあげたいという承認欲求がある。
その欲求を深く追求しようとすると生き辛い部分がでてくるものだ。
ついつい周りや成功者と比較して自分は承認されていないと思い込んでしまう…
理解していなくても、とりあえずただ生きているだけでいい
それで自分は承認されていると感じておくのは悪くない考え方のように思える。
現在、母親の所有物であるボク。
とりあえず生きているだけでも母親からは承認はされているはずだと思っておこう。
〇自分をヘビだと勘違いしたバカなミミズ
バカとは基本的に自己認識の問題。
自分自身が思っている自分と、実際の自分自身とがちがうことに無自覚である。これがバカ。
周りのミミズと比べて優れたミミズであってもミミズはミミズ。
ヘビだと勘違いしてカエルを食べに行くと逆に食べられる…
自分の能力をちゃんと理解して分相応に生きるのが賢い
ミミズであることを理解して平穏に土の中で隠れて一生を送る…
ある程度、リアリストでいようと思うボクはこの意見には同意する。
ただ頭の中では理解していてもそこまで達観できない自分がいる…
この領域に達するにはまだまだ年齢重ね、いろいろなモノを諦める経験をしてからになりそうだ。
〇総評
Bランク
「あなたには可能性がある」という言葉に対して、「そんなものは、ない」と返してくれる一冊。
このままじゃダメだという強迫観念にとらわれたときには薬となる本かなとは思う。
ただ思考停止してただ生きるというのはやっぱりつまらないだろうなと思えてしまう。
まだギリギリ20代なボクは悟りつつも、分不相応に生きてみたい欲求があるようだ。
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